2019年11月29日

だってしょうがないだろ、思春期なんだから『ブライトバーン 恐怖の拡散者』

だってしょうがないだろ、思春期なんだから『ブライトバーン 恐怖の拡散者』

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンがプロデュースしたスーパーヒーローもの。ただし闇の方の。

 カンザス州ブライトバーンの農場に隕石のようなものが落下。それは宇宙から飛来した子供を乗せたカプセルだった。子供のいないトーリとカイルのブレイヤー夫妻はブランドンという名をつけて自分の子供として育てる。ブランドンはすくすく成長するが12歳を迎えるころ、不思議なささやき声を聴くようになり、常人にはない異常な能力に目覚める。「普通とは何かが違う」ブランドンの存在は学校のクラスメイトやその親たちにとって気味悪がられ、露骨に避けられたり、忌避の対象になっていく。
 ささやき声が異星人の言葉で「奪え」という意味だと悟ったブランドンは、ささやき声に命令されるように自分に敵対するあらゆるものを奪っていく。ついには親代わりのブレイヤー夫妻にまでその力は及ぶ。


 宇宙からやってきたカプセルに乗った子供を子供のない夫妻が育て、その子供はすさまじい能力を発揮するようになるという、まんま『スーパーマン』なわけだが、『ブライトバーン』のスーパーマンは闇落ちして悪の存在になっていく。スーパーマンは地球人の両親の愛情によって善の存在になっていくが、こちらのブレイヤー夫妻は育て方を間違ってしまう。
 面白いのは、超能力に目覚めていく岐路に思春期が重ねられているところ。ブランドンは能力に目覚めていくころ、ベッドにエロい広告を隠している。それを見たブレイヤー夫妻が「あいつもそういう年ごろになったんだな」とやれやれ感を出すが、エロ広告と一緒に人体を割いた断面図があるのを見て随分ハードな趣味だな・・・と。
 ブランドンはクラスメイトの手首を折ったりして夫妻が呼び出しをくらうも、「息子は思春期ですから・・・」で済ませようとするのがユニーク。そういう問題じゃないでしょ!

 ジャンルとしてはスーパーヒーローものにホラーテイストを混ぜてるのだけど、ジェームズ・ガンの意地悪さが出ていて、妙なコメディタッチが随所にみられる。異常な能力に目覚めたことを示すのにフォークを齧ったりとか、鶏を殺したり(何の意味があるんだ)。レストランのおばさんを深夜に襲う場面で、おばさんがきれいに掃除した後で食器を全部テーブルに戻したりとか。子供のいたずらかよ!能力をそんなしょうもないことに使うな!・・・と和んでたら直後にたたき割ったガラスの破片がおばさんの目玉に突き刺さり、それをゆっくり抜くと血しぶきが大量に散るという、ド直球のゴア描写があったりして油断ならない。

 子を持つ親にとって思春期の子供は何を考えているかわからない、恐ろしい存在というわけだ。キャンプ場からクラスメイトの女の子の寝室に飛んで行って(すごいスピードだからね)夜中に忍び込んで、覗きをして帰ってくるところなんてまあ・・・怖いよね・・・すごいスピードで飛べるから自慰をしてても普通の人間にはわからないレベルで済ませて帰ってきたはず。(そんな風にしか受け取れない)思春期をこじらせると恐ろしい!

 邦題の「恐怖の拡散者」は意味が分からないな。ラストシーンはブランドンの力が拡散されることで目覚めたものが現れたと解釈させたいの?。いろんな能力者があらわれて思春期特有のいたずら対決をするのかと想像して震える。




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Posted by 縛りやトーマス at 17:20│Comments(0)映画
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