2019年12月10日

10年待った甲斐があった続編『ゾンビランド:ダブルタップ』

10年待った甲斐があった続編『ゾンビランド:ダブルタップ』

 2009年の公開作『ゾンビランド:ダブルタップ』の10年ぶりの続編。
 ゾンビ・パンデミックが発生して世界中が崩壊する中、友達のいないぼっち野郎ゆえにアポカリプスな状況を生き延びたコロンバスは世界をパワフルに生き延びてきたカウボーイオヤジのタラハシーや、詐欺姉妹のウィチタ、リトルロックらとすでに失ってしまった疑似家族をつくって生き抜いていく・・・というコメディ映画で、低予算なうえに当時は多くが無名だった監督、キャストだったが、映画は制作費の4倍を稼ぐ大ヒットを記録。
 それぞれのキャラを演じたジェシー・アイゼンバーグは『ソーシャル・ネットワーク』『エージェント・ウルトラ』『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』とヒット作を連発、ウディ・ハレルソンは『ハンガー・ゲーム』シリーズに出演、『スリー・ビルボード』でアカデミー助演男優賞ノミネート、エマ・ストーンは『アメイジング・スパイダーマン』シリーズに出演、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で各映画賞の女優部門に軒並みノミネートに終わるが、『ラ・ラ・ランド』ではアカデミー主演女優賞を獲得と全員が出世した。唯一リトルロック役のアビゲイル・ブレスリンだけはさほど活躍はなかったものの、当時13歳の彼女はこの10年ですっかり成長して、正月に実家で久しぶりに出会った姪っ子が大きくなっていてびっくりしたような気分を味あわせてくれた。監督のルーベン・フライシャーも『ヴェノム』でさらなるヒットメーカーとして名が知れた。

 続編は10年の間に何度となく企画されるものの、いろいろあって実現せず、もはや幻の企画として消え去るかと思ったが、10年目のメモリアルイヤーとしてついに完成した。コロンバスたちは今やホワイトハウス(!)で生活するセレブ(?)となっていた。安定した生活を得てコロンバスはついにウィチタにプロポーズ。しかし贈ったホープダイヤモンドが「カップルに破滅を呼ぶ」という迷信があり、また改めて結婚生活をするというのもウンザリだとウィチタはリトルロックを連れて出て行ってしまう。
 彼女のあとを追いかけようとすると、ゾンビ・アポカリプスを「冷蔵庫の中に隠れていた」と生き延びた、見るからにアーパーな女性マディソン(ゾーイ・ドゥイッチ)と出会い、熱烈なラブコールを受けた上に、どうせウィチタとはもう終わったんだ!とばかりベッド・イン!展開早すぎだろ!ちなみにこのゾーイ・ドゥイッチ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスの母親役やってたリー・トンプソンの娘なの。

 冬のあとすぐに春が来た!と浮かれまくるコロンバス。しかしすぐにウィチタが帰ってきた!一緒に出て行ったはずのリトルロックは旅の途中で出会ったヒッピーミュージシャン(アヴァン・ジョーギア)に惚れて飛び出していってしまったのだ。
 典型的なアメリカ白人のタラハシーが彼を「どうせバークレーから来たようなやつ」「いけ好かない」とリベラルで知られるバークレーをいじってネタにするのが笑える(『アイアンマン』でもトニー・スタークが記者から死の商人呼ばわりされると「君はバークレー出身か?」といじるギャグがある)。
 妹を追いかけるために武器を取りに帰ってきただけなのに、突然三角関係が勃発!第三次大戦よりヘビーな戦いが今、始まる!いや、周りゾンビばっかりなんで!それどころじゃないよ!

 前回は名前のある登場人物が4人にすぐ死ぬ隣りの女子大生とビル・マーレイだけ(笑)という少数精鋭だったのだけど、パート2ということで新キャラが多く登場し、『ゾンビ』のリメイク、『ドーン・オブ・ザ・デッド』の主役ロザリオ・ドーソンが最高にイカス女として登場したり、すぐに死ぬような主人公たちのコピー、アルバカーキにフラッグスタッフ、もちろんアーパー娘のマディソン(吹替の声が安達祐実でさらにおかしい)など、新キャラがどいつもこいつも立ちまくりで、本来ならコロンバスを争う嫌味なライバルキャラとされるようなところ、観客から愛されるようにされているのが良い。
 最近のゾンビ映画にありがちなリアリティさをあえて排除し(コロンバスが『ウォーキング・デッド』のコミックを読んで「リアルじゃない!」とあえて言わせてるセリフに象徴されている)、「非リアルなゾンビものでも面白い」という難題を見事クリアしたフライシャー、恐るべし。
 多くのファンが納得の続編になっており、10年待った甲斐があった。
 コレジャナイ感が炸裂していた『ターミネーター:ニュー・フェイト』とか大きな違いでっせキャメロン!




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Posted by 縛りやトーマス at 20:56│Comments(0)映画
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