2020年02月19日

これぞ真の社会正義映画!ドンキー!『ロバマン』

これぞ真の社会正義映画!ドンキー!『ロバマン』


 世界に日本が誇るバカ映画の巨匠、河崎実監督の最新作『ロバマン』が最高にバカ!主演は吉田照美。『てるてるワイド』『やる気MANMAN』の人気ラジオパーソナリティで茶の間(死語)を沸かした男の夢のタッグだ。


 吉田照美演じる主人公、吉村公三(元ネタは『ウルトラマンA』でギターのテクを披露する隊員から)はどこにでもいる平凡な男。定年退職後はやることもなく、外へ出ればラーメン屋の行列に横入りされ、文句を言おうにも強面に恫喝され、スマホながら歩きの若者に注意もできない小市民。そんな吉村の趣味は吉田照美のラジオ番組に投稿すること(吉田の声真似タレント、HEY!たくちゃんがソックリに演じていて混乱する)。P.N.ロバマンを名乗る吉村(由来は子供のころに顔が長いからロバそっくりだな!と言われたことから・・・ってそれ本人のことやん!)はラーメン屋の行列に横入りする輩を一喝、道いっぱいに歩くおばさんにクレーム。けっして自分ではいえないことを、ロバマンという別人格になった吉村は実践する。投稿の〆のセリフは「ドンキー!」この世の悪を断罪してニンマリ。

 しかしそんな吉村は現実では長年連れ添った嫁(熊谷真実が好演)からは「うるさいこのロバ!」とバカにされ、孫娘(欅坂46・小池美波)には「おじいちゃん、お小遣い頂戴」とATM扱いしかされていない悲しき68歳男。
 だが奇跡が起きる。町中でUFOを目撃(突然)した吉村。UFOからはロバの面を被ったロバ星人(ロバの顔のマスクにウルトラマンに出てきそうな宇宙人風のコスプレで、バカ映画の傑作『ロボット・モンスター』も底抜けの扮装だ)が現れ、吉村を同類と勘違いする(顔長いからね)。故郷へ連れ戻そうとするのだが、否定する吉村へ「これでリフレッシュしろ」とブレスレットを手渡す。このブレスレットがあれば怒りのパワーが満ちた時にロバマンに変身できるのだ!

「ドンキー!」

 の合言葉とともにスーパーヒーロー・ロバマンに変わった吉村はラーメン屋の行列に横入りするやつをすごくゆる~いパンチと腰の入っていないキックで叩きのめす。これぞロバマン・アクション!スマホながら歩きの若者を押しのけ、パワハラ、セクハラおやじを鉄拳制裁!ひかえおろう!

 ロバマンのコスチュームは8マン風なのがツボ。河崎実監督は以前8マンの実写化を目指して作画担当の桑田次郎先生のところにいったものの、精神世界へ解脱していた桑田次郎先生は「ヒーローも結局暴力で敵を倒しているのだからよくない」といったことを監督にいって、実写化は実現しなかった。その後『8マン すべての寂しい夜のために』を見た監督は心底あきれ返ったという・・・そう、この映画は河崎実監督の実写8マンへのリターンマッチなのだ!

 ロバマンの活躍はたちまち世間で

「あんなに顔の長いヒーローは藤田まこと以来ですよ」
「昔、ロバのパン屋ってのがあったんだけど、ロバマンにテーマ曲はあるのかな」(みうらじゅん・談)

 話題となり、


「ロバマン最高!」
「アジアにも進出してほしい」
「アベンジャーズなんか目じゃない」
「ロバマン抱いて!」
「電エースキックと対決してほしい!」

 とSNSにもコメントが溢れかえった。吉村はユーチューバーデビューし、『ロバマンのうた』(作詞は湯川れい子、曲は伊秩弘将!)を熱唱。

 調子に乗り始めた吉村=ロバマンはより大きな悪党に怒りの鉄拳を向ける。振り込め詐欺、結婚詐欺を容赦なく制裁する。すると世間てのはホントいい加減なもんで

「やりすぎ」
「結局暴力を揮っている」(桑田次郎先生かよ)

 と批判も集まりだす。中にはタブレット純(河崎映画の常連)みたいに「待ちに待ったヒーローの登場です。ロバマンにはエイトマン、鉄腕アトム、鉄人28号、海底人8823、スーパージャイアンツの要素が入ってます」と絶賛する人もいるのだが(どんだけ入れてんの。盛りすぎだよ!)
 世間からの思わぬ批判に「俺は間違っているのか?」と悩みだすロバマン。そんな悩めるヒーローの前に現れるのは日本初のスーパーヒーロー、月光仮面だ!

「ロバマン、君の信じる正義を貫きたまえ!」

 悪人を憎まず殺さず許しましょう、の月光仮面の一言は非常に重要だ。月光仮面に勇気づけられたロバマンはやられっぱなしのいじめられっ子に「君は喧嘩もできない優しい子なんだね」と優しく励ましてやり、いじめられっ子には手を出さずに口で言い返してやれ!とヒントを与える。桑田次郎イズムをきちんと継承する河崎監督、さすが!


 しかし本当の悪党は許さない!高級料亭で政治をないがしろにしている安倍総理大臣と菅官房長官(演じるのは河崎映画の常連、ザ・ニュースペーパー)がロバマンの次なる怒りのターゲットだ!

「ソバはやめましょう。モリソバ、カケソバ、今はまだちょっとね。モリカケで。ちょっと胃もたれする」
「いやーしかし安倍政権いいですねえ。いいわーいいわー、令和ってね」
「令和のおかげで辺野古もモリカケも、全部チャラ!」
「早く忘れていただいてねえ!」
「アベノミクスは失敗だ失敗だって言われてますけどねえ、失敗じゃありませんよ。うまくいってないだけですよ」
「それを失敗っていうんですから!」


 心底しょうもないギャグ(誉め言葉)のやりとりの後、政権の悪党二人にロバマンの鉄拳が炸裂する。
 映画『ロバマン』はしょうもないギャグ映画のフリをしながらこの世の本当に悪い悪を断罪している。『新聞記者』みたいな本当に悪い奴の名前を出さない腰の引けた忖度映画とは違う、『ロバマン』だけが真の社会正義を貫く映画なのだ!

 そしてロバマンは本当の悪と対決する。この地球に潜んでいるオールナイト星人とだ!演じるのは「わんばんこ!」「乳頭の色は?」でおなじみ笑福亭鶴光師匠だ!

 オールナイト星人はこの世の悪を見逃す、もしくは放置し、フェイクニュースを拡散することでネガティブなエネルギーを増幅させ地球を支配しようとする巨悪。「オールナイト~パヤパヤ~」とどっかで聞いたセリフで登場するオールナイト星人にとって正義のエネルギーをばらまこうとするロバマンは敵だ。星人に送り込まれた刺客を返り討ちにしたロバマンは奴の地下基地に突入。

「ロバマン、お前は私の敵ではない!政治も教育もありえないことが起こっているだろう」
「文化放送からニッポン放送へ移るやつ、松竹芸能から吉本興業に移るやつ!モラルもなんにもないわ!」(誰の事だよ!)

この世界を動かしているのは花札でもトランプでもない!トランプはマジックを使いごまかしている!日本の政治もしかり!この私が世界を動かしているスーパーコンピューター以上の存在なのだ!」

 急に気の利いたギャグをかます鶴光師匠!思わず「うまい!」と膝を打った。

 人の本質は悪だというオールナイト星人の攻撃(マントを翻して「私は、宇宙!」という、『ねらわれた学園』で峰岸徹が演じた魔王子・京極のパロディが突然挿入される)に屈しそうになるロバマン。そんな時助けに現れた謎のヒーローとは!?その正体に度肝を抜かれてほしい。

 ン十年間ヒーローとバカ映画を作り続けてきた河崎実監督の「徹底してバカをやる」という覚悟の前には世にあふれる「なんちゃってギャグ映画」など微塵も残さず吹き飛んでしまうであろう。韓国映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞を獲得して「日本映画はダメだなあ」なんていってるそこの君!日本には河崎実が!ロバマンがいる!!

 ちなみにこの映画の上映時間は68分。史上最低のバカ映画と謳われた『魔の巣』の上映時間と同じ!狙った?





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Posted by 縛りやトーマス at 01:41│Comments(0)映画特撮・ヒーロー
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