2020年06月08日

人身売買ネットワークの闇『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』

 先日、週刊文春で「死ぬこと以外はかすり傷」とかコイていた編集者が女性ライターにとんでもないセクハラをしていたことが暴かれ、その後も反省せず女性の側に問題があるかのような主張をして重傷を負っていました。女性ライターに「ヤラセロ!」と迫るLINEのやり取りは心底醜くキモイおっさんのあるがままの姿でみっともなく、見ていて吐き気を催しましたが、それすら可愛らしく思えるほどの話を聞きました。

 ネットフリックスで配信中のドキュメント・シリーズ『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』はアメリカの大富豪、ジェフリー・エプスタインが20年にも渡り未成年の女性を性的搾取していたというドキュメントだ。

人身売買ネットワークの闇『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』

 ジェフリーは高校を飛び級で卒業するほどの才人で、口のうまさを利用して次々とのし上がり20代の頃にヘッジファンドで莫大な財を成し、大富豪としてフロリダ州パームビーチに大邸宅をつくり、そこを人身売買で見つけた少女たちを招き入れ、性的搾取の城とする。
 ジェフリーの手口は巧妙で、身寄りのない孤児や親と離れて暮らすようなお金に困っている未成年に「200ドルあげる」と持ち掛け高級住宅街にある私邸に呼びつけ性的なマッ サージなどをさせる。ことが済んだ後は「他に友達を紹介してくれたら200ドルあげよう」と売春の仲介をさせるのだ。性的なことを要求された少女たちの中には驚いて「帰ります!」という子もいるのだが、そういう子にもやはり「じゃあ他の子を紹介して」といって200ドル渡す。身寄りのない子の中にはお金が欲しくてジェフリーの誘いを何度も受けてしまったり、また友人を紹介したことで罪の意識に苛まれて富豪であるジェフリーを告発することができない。にしてもこのロバ顔のオッサン、富豪のくせにたった200ドルってせこ過ぎだろ!

 2001年から2005年頃までの数年間で少女たちの勧誘ネッ トワークはネズミ算式に膨れ上がって米国内から果ては南米、欧州にまで広がっており、200人以上の被害者がいたという。

エプスタイン氏の邸宅には何人もの少女がやってくる

 という近所の住人の通報や、被害女性が訴えを起こしたことでついにフロリダ警察の手が伸び、2006年にエプスタインは売春勧誘、売春あっせんの容疑で逮捕、起訴される。最悪終身刑の可能性もあったがエプスタインは金と権力で罪から逃れる。司法取引の結果、下された罪はたった18か月の禁固刑。収監されながら一日12時間の外出が許されており(外で仕事をしなければならない、という理由で)、外に出られないのは週に一日だけだった。それ、禁固刑って言わないよ。

 フロリダ警察や被害者たち、世間はこの措置に疑問を抱くも、司法取引を下した連邦検事アレクサンダー・アコスタは当時も今もこの決定に問題はないと言い張った。彼はトランプ政権の労働長官だった・・・(後に解任される)

 禁固刑を終えて出所したエプスタインはこれまで以上に少女売春に励み、それは2019年まで続いた。性犯罪者として記録されている人物が約15年に渡って放置されていたのだ。
 なぜそんなことが許されていたのか?エプスタインの権力と金の力である。エプスタインはあらゆる業界に知人がおり、歴代大統領(クリントン、オバマ、トランプ)やルパート・マードック、マイケル・ブルームバーグといった実業家、英国のアンドリュー王子やトニー・ブレア首相、サウジアラビアの王太子といった政治家、国賓に及び、映画業界からはウディ・アレン、ケヴィン・スペイシー、ハーヴェイ・ワインスタインといったオールスター。彼らはみなエプスタインの邸宅で「サービス」を受けたという・・・
 著名人らと世界中で会うためにエプスタインは自家用ジェットで飛び回った。その名も「ロリータ・エクスプレス」!


 金と権力でやりたい放題していたエプスタインだが、2019年、重い腰をあげたFBIの調査によって二度目の逮捕となる。今度は逃がさないという意思の元、邸宅の家宅捜索が行われ少女のヌード写真だらけの部屋からは売春の証拠となる未成年女性の写真を収めたCD-ROMなどが発見、押収された。2006年の際には警察の捜査を見越したようにパソコンなどを処分していたエプスタインもついにお縄。

 100人を越す被害者が訴え出、その中の10数名は顔と名前を出して告発。勇気を出した彼女たちだが、前回のように金と権力で逃げ切られてしまうのではと不安だったが、エプスタインの逮捕状を出したニューヨークの司法は家宅捜索の際にダイヤモンドや偽造パスポートを押収していて、「逃亡の恐れがある」という理由で保釈を認めなかった。
 これで彼は一生牢獄の中だ!被害者たちは安堵したが、そうはならなかった。なぜなら彼は裁判を受ける前に自殺してしまったから!


 エプスタインは保釈を認められなかったあと、ニューヨーク・マンハッタンの矯正施設に入れられていたが、ここは札付きの「治安の悪い」場所で、自殺をさせないために他の囚人がいる房に入れられ、30分毎に見回りが来るはずだったが、エプスタインが自殺したとき、房内にはなぜか誰もおらず見回りは居眠りしていて、2台ある監視カメラはどちらも故障していた・・・

「エプスタインが売春ネットワークに参加している著名人の名前を裁判で出すことを恐れた何者かによる謀殺だ」

 華麗過ぎる著名人との交際が知れ渡っているだけにこのような噂がネット上を駆け巡ったが証拠はどこにもない(残念ながら)。しかし中には2ショットが残っているクリントン元大統領などがおり、彼は逮捕の後「以前は知り合いだったがここ最近は会っていない」といけしゃあしゃあと言い張った。性的被害にあった女性から「数年前のパーティで会った!」と証言されてたけど。

 もっとも情けないのが英国のアンドリュー王子で、彼は17歳の未成年に性的サービスを強制されたと訴えられた!被害女性は「王子は汗っかきですごく嫌だった」と訴えたが、アンドリュー王子は「わたしは汗をかかない体質なんだ」と言い訳。しかし公開された女性との2ショット写真を見せられ「2階になんか行ってない」と聞かれてもいないことを答えて大恥をかいた。2019年末に王子は公務から退くことを発表し公の場に一切姿を見せなくなった。


 エグゼクティブ・プロデューサーは『ブレアウィッチ2』『テッド・バンディ』のジョー・バーリンジャー。謎めいたエプスタインがどうやって大富豪になったのか、その過程やどういう人生を送って希代の変態ロリコン野郎が誕生したかの真相や被害者以外の証言がなかなか取れないという厳しい条件の元(だからこそこの一件の問題の根深さがわかるようになっている)、衝撃的な内容になっているのはさすがか。

 陰謀論なんかで「世界中に張り巡らされたロリコンネッ トワークの存在」が囁かれるけど、こういう一件が明るみになると、あながち嘘八百とも思えないのな。性的搾取した側は誰も責任を取ってないという事実に頭が痛くなる。箕輪ナントカもそうだけど、卑劣な人間はどこまでも卑劣になれるというのがよくわかった。




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